映画「いわさきちひろ~27歳の旅立ち~」
7月29日(日)に行われた松本猛さんの舞台挨拶の様子をご報告いたします
会場はご覧の通り、嬉しいことに、ほぼ満席に近い状態でした
上映後、松本猛さんの舞台挨拶が行われました。
松本猛さんからの挨拶
今回、映画という形でこういう風に作品にできて、大変うれしく思っております。
それをこうやってたくさんの方に観て頂いたことは私にとっても大変うれしいことであります。
いわさきちひろの世界をもう一回味わっていただけたらと思います。
本日はありがとうございました。
★Q&A★
★どのようなきっかけ映画を制作されたのか?
ちひろの映像化の話はずいぶん昔からあった。館長である黒柳徹子さんにも相談をした。
映像化に大切だったことは(いわさきちひろが生きていたら今は93歳)いわさきちひろを直接知っている人達が高齢化してきている。だったら美術館としてその人たちの声を記録していこうじゃないかということを考え、8年前からドキュメンテーションという形で直接いわさきちひろを知っている人たちに会って撮影をしていきましょうという形になり、それが今回の映画の序章になる。
それを撮ってくださったのが本作の監督でもある海南監督。
そこからさらに財団法人いわさきちひろ記念事業団理事長である山田洋次監督や奥様とも話し、映画化することになった。
★お母さんとしてのいわさきちひろさん、
絵本画家としてのちひろさんはどのような方だったのか?
何千回だか何万回だか聞かれることで(笑)いつも違うことを言うのは難しい。
(といいつつもお話ししてくださいました)
べたべたに甘い母親だった。母親としていいのか悪いのか分かりません(笑)
生まれた時から母親にくっつくものだと思っていた。絵を描いている時も母親の背中にぴったりくっついて絵が出来上がるのを見ていて、母は左利きだったので右から顔を出して見ていた。
寝る時もべったり
昔の編集者は絵が出来上がるのをずっと待っていた。
編集者は絵かきの絵をちゃんと持って帰れるかどうかで価値が決まっていた。
そうすると絵を描くときに邪魔になる息子をどれだけ可愛がって邪魔にさせないかというのが編集者の腕だった。私(松本さん)をお風呂に入れる人もいたりご飯を食べさせる人もいたりそういう人達と一緒に育っていった。
だから絵本画家のいわさきちひろというのは育児も編集者の仕事も一緒になって仕事をしていた。
私にとっての母はいつも絵を描いている人でした。
小さい頃は私が遊んでいるところをいつもスケッチしながら周りの子供達も一緒に描いていた。
ある程度大きくなると、母親と距離を置くようになって…
そうなると近所の子をスケッチしていた。
ふたたび母とよく話すようになったのは高校に入ってからでした。
★松本さんから見てお母様の絵の見どころは?
母の絵の中には、余白やにじみがたくさんある、“にじみ”は何だったのか。
それは子供の心理を表現していた。喜びや悲しみやいろんな愛情豊かな子供の心の豊かさなど子供はものすごくたくさんの感情がありそれを表現するのに色とにじみを使った。
“にじみ”は人間がコントロールできない世界。どうやっても自然な世界。
その自然な世界を、例えば少女を描いた後ろに背景にたくさんのにじみをかいたとき、そのにじみは女の子の気持ちを表している。
音楽では音や楽器で色々な感情を表現するように、母の絵の中には色、にじみ、確にとらえられた子供の姿がありそれが重なり合って、「あ、この子可愛いな、何考えているんだろうな」と私たちに語りかけていると思っている。
そんな風に見て頂ければうれしい。
そんな絵がたくさんありますので、ぜひちひろ美術館へ(笑)ギャラリートークもあります。
★ちひろさんは映画が好きだった?
女学校時代からハリウッドはもちろんフランス映画が好きだった。
母の絵本の中には映画の要素が山ほど出てきます。
・クローズアップの使い方・ロングの使い方・アングルの使い方などなど
絵本の中の様々な場面を、映画の要素があって描かれている。
★最後にメッセージを
この映画を見て、映画がいいか悪いかだけでなく、いわさきちひろの生き方を、多くの方に知っていただけきたい。3.11が起きる前は人間の命を考えるのは、医者と坊主だけたった。しかし今は日本中の人達が考えている。いわさきちひろの絵や人生を知って今、私たちは何をしなければならないのかということにつなげて考えて頂けると嬉しい。
舞台挨拶が終わった後、サイン会がおこなわれました。サインを求める行列と、パンフレットなどを買い求めて下さる方と入り乱れ・・・
机を置いたときは日蔭でいいなと思っていたのですが、いざ舞台挨拶が終わってみると、太陽が移動し、とても暑い中でのサイン会となってしまいました。それでも笑顔で対応してくださる松本さん。ステキです
すみませんでした
映画「いわさきちひろ~27歳の旅立ち~」は8月10日(金)までの上映
お見逃しなく!
上映時間はこちら
7月29日(日)に行われた松本猛さんの舞台挨拶の様子をご報告いたします
会場はご覧の通り、嬉しいことに、ほぼ満席に近い状態でした
上映後、松本猛さんの舞台挨拶が行われました。
松本猛さんからの挨拶
今回、映画という形でこういう風に作品にできて、大変うれしく思っております。
それをこうやってたくさんの方に観て頂いたことは私にとっても大変うれしいことであります。
いわさきちひろの世界をもう一回味わっていただけたらと思います。
本日はありがとうございました。
★Q&A★
★どのようなきっかけ映画を制作されたのか?
ちひろの映像化の話はずいぶん昔からあった。館長である黒柳徹子さんにも相談をした。
映像化に大切だったことは(いわさきちひろが生きていたら今は93歳)いわさきちひろを直接知っている人達が高齢化してきている。だったら美術館としてその人たちの声を記録していこうじゃないかということを考え、8年前からドキュメンテーションという形で直接いわさきちひろを知っている人たちに会って撮影をしていきましょうという形になり、それが今回の映画の序章になる。
それを撮ってくださったのが本作の監督でもある海南監督。
そこからさらに財団法人いわさきちひろ記念事業団理事長である山田洋次監督や奥様とも話し、映画化することになった。
★お母さんとしてのいわさきちひろさん、
絵本画家としてのちひろさんはどのような方だったのか?
何千回だか何万回だか聞かれることで(笑)いつも違うことを言うのは難しい。
(といいつつもお話ししてくださいました)
べたべたに甘い母親だった。母親としていいのか悪いのか分かりません(笑)
生まれた時から母親にくっつくものだと思っていた。絵を描いている時も母親の背中にぴったりくっついて絵が出来上がるのを見ていて、母は左利きだったので右から顔を出して見ていた。
寝る時もべったり
昔の編集者は絵が出来上がるのをずっと待っていた。
編集者は絵かきの絵をちゃんと持って帰れるかどうかで価値が決まっていた。
そうすると絵を描くときに邪魔になる息子をどれだけ可愛がって邪魔にさせないかというのが編集者の腕だった。私(松本さん)をお風呂に入れる人もいたりご飯を食べさせる人もいたりそういう人達と一緒に育っていった。
だから絵本画家のいわさきちひろというのは育児も編集者の仕事も一緒になって仕事をしていた。
私にとっての母はいつも絵を描いている人でした。
小さい頃は私が遊んでいるところをいつもスケッチしながら周りの子供達も一緒に描いていた。
ある程度大きくなると、母親と距離を置くようになって…
そうなると近所の子をスケッチしていた。
ふたたび母とよく話すようになったのは高校に入ってからでした。
★松本さんから見てお母様の絵の見どころは?
母の絵の中には、余白やにじみがたくさんある、“にじみ”は何だったのか。
それは子供の心理を表現していた。喜びや悲しみやいろんな愛情豊かな子供の心の豊かさなど子供はものすごくたくさんの感情がありそれを表現するのに色とにじみを使った。
“にじみ”は人間がコントロールできない世界。どうやっても自然な世界。
その自然な世界を、例えば少女を描いた後ろに背景にたくさんのにじみをかいたとき、そのにじみは女の子の気持ちを表している。
音楽では音や楽器で色々な感情を表現するように、母の絵の中には色、にじみ、確にとらえられた子供の姿がありそれが重なり合って、「あ、この子可愛いな、何考えているんだろうな」と私たちに語りかけていると思っている。
そんな風に見て頂ければうれしい。
そんな絵がたくさんありますので、ぜひちひろ美術館へ(笑)ギャラリートークもあります。
★ちひろさんは映画が好きだった?
女学校時代からハリウッドはもちろんフランス映画が好きだった。
母の絵本の中には映画の要素が山ほど出てきます。
・クローズアップの使い方・ロングの使い方・アングルの使い方などなど
絵本の中の様々な場面を、映画の要素があって描かれている。
★最後にメッセージを
この映画を見て、映画がいいか悪いかだけでなく、いわさきちひろの生き方を、多くの方に知っていただけきたい。3.11が起きる前は人間の命を考えるのは、医者と坊主だけたった。しかし今は日本中の人達が考えている。いわさきちひろの絵や人生を知って今、私たちは何をしなければならないのかということにつなげて考えて頂けると嬉しい。
舞台挨拶が終わった後、サイン会がおこなわれました。サインを求める行列と、パンフレットなどを買い求めて下さる方と入り乱れ・・・
机を置いたときは日蔭でいいなと思っていたのですが、いざ舞台挨拶が終わってみると、太陽が移動し、とても暑い中でのサイン会となってしまいました。それでも笑顔で対応してくださる松本さん。ステキです
すみませんでした
映画「いわさきちひろ~27歳の旅立ち~」は8月10日(金)までの上映
お見逃しなく!
上映時間はこちら